「ナイアシンアミドもセラミドも良いって聞いたけど、一緒に使って大丈夫?」「どっちを先に塗ればいいの?」——SNSでもよく見かける疑問です。結論から言うと、この2つは併用してまったく問題ありません。むしろ、組み合わせることでお互いの良さを引き出せる相性抜群の成分です。

ただし、塗る順番や選ぶアイテムの剤型を間違えると、せっかくの効果が半減してしまうことも。この記事では、元エステティシャンとして2,000人の肌を見てきた経験と、自分の敏感肌での検証をもとに、ナイアシンアミド×セラミドの正しい使い方を成分の働きから整理します。2026年5月時点の情報です。

なぜナイアシンアミドとセラミドは「最強コンビ」と言われるのか

まず、それぞれの役割をざっくり整理してみましょう。

セラミドは、角質層の細胞と細胞のあいだを埋めている脂質です。レンガの壁に例えるなら、細胞がレンガで、セラミドはそのあいだを固めるセメント。このセメントが薄くなると、水分が逃げやすくなり、外部刺激も入り込みやすくなります。つまり、セラミドを外から補うことで「いま足りないバリアを直接補強する」のが狙いです。

一方、ナイアシンアミド(ビタミンB3の一種)は、肌の内側でセラミドの合成を促す酵素「セリンパルミトイルトランスフェラーゼ」を活性化させることがわかっています。外から貼るのではなく、肌自身がセラミドを作る力を底上げしてくれる。

要するに、セラミドが「今すぐ壁を補修する応急処置」なら、ナイアシンアミドは「壁を作る工場の稼働率を上げる長期投資」。両方やれば、短期と長期の両面からバリア機能を立て直せる。これが「最強コンビ」と言われる理由です。

2024年にJournal of Cosmetic Dermatologyに掲載された臨床試験でも、セラミド+ナイアシンアミド配合の保湿剤を併用したグループは、保湿剤なしのグループと比べて肌の乾燥や刺激感が有意に軽減されたと報告されています。成分で選ぶなら、この組み合わせは理にかなっています。

塗る順番は「水→油」が基本——ただし剤型で変わる

「どっちを先に塗るか」で迷う人が多いのですが、大事なのは成分名ではなく剤型(テクスチャー)です。

スキンケアの基本ルールは「水っぽいものから油っぽいものへ」。これはどんな成分でも変わりません。先に油分の多いアイテムを塗ってしまうと、後から水溶性の成分を重ねても肌に浸透しにくくなるからです。

具体的に整理すると、こうなります。

  • ナイアシンアミド配合の化粧水・美容液(水性ベース) → 先に塗る
  • セラミド配合の乳液・クリーム(油性ベース) → 後から蓋をする

ただし、セラミド配合の化粧水を使っている場合は、その化粧水が先。ナイアシンアミド配合のクリームを使っている場合は、そのクリームが後。成分名ではなく、テクスチャーの軽い順に並べる。ここを押さえておけば迷いません。

エステティシャン時代にお客様から「セラミドの美容液とナイアシンアミドの美容液、同じ美容液同士はどう重ねるの?」と何度も聞かれました。同じ剤型なら、先にセラミド(バリア補強)→後からナイアシンアミド(機能性成分)の順がおすすめです。土台を整えてから攻めの成分を入れるイメージですね。

肌タイプ別・おすすめの組み合わせパターン

「どんな製品を組み合わせればいいの?」は肌タイプで変わります。ここでは3パターンに分けて紹介します。

乾燥肌・敏感肌タイプ

バリア機能が弱っている肌には、守りの保湿を厚めに。セラミド配合のクリームをメインに据えて、ナイアシンアミドは低濃度(2〜5%)の化粧水で穏やかに取り入れるのが安全です。

肌は嘘をつかないので、最初の1週間は頬の内側など刺激を感じやすい部位でパッチテストをしてから顔全体に広げてください。高濃度のナイアシンアミド(10%以上)をいきなり使うと、敏感肌ではピリつきや赤みが出ることがあります。

朝: 洗顔 → ナイアシンアミド化粧水 → セラミド乳液 → 日焼け止め
夜: クレンジング → 洗顔 → ナイアシンアミド化粧水 → セラミドクリーム

脂性肌・混合肌タイプ

テカリや毛穴の開きが気になる肌には、ナイアシンアミドの皮脂コントロール効果が頼もしい。5〜10%程度の美容液を化粧水の後に使い、セラミドは軽めのジェル乳液で取り入れるとベタつきにくくなります。

脂性肌だからといって保湿を省くのはNG。皮脂が多くてもセラミドが不足していることは珍しくありません。エステ時代、「テカるから乳液を塗らない」と言っていたお客様の肌をスコープで見ると、角質層のキメが乱れてバリアがスカスカだったケースを何度も見てきました。

朝: 洗顔 → 化粧水 → ナイアシンアミド美容液 → セラミドジェル乳液 → 日焼け止め
夜: クレンジング → 洗顔 → 化粧水 → ナイアシンアミド美容液 → セラミドジェル乳液

年齢肌・ハリ不足タイプ

エイジングケアが気になる方は、ナイアシンアミドの「シワ改善」効果にも注目です。日本では医薬部外品の有効成分としてシワ改善の効能が認められています。セラミドクリームでしっかり蓋をしつつ、週2〜3回のパックでセラミド補給を強化するのも有効です。

朝: 洗顔 → 化粧水 → ナイアシンアミド美容液 → セラミドクリーム → 日焼け止め
夜: クレンジング → 洗顔 → 化粧水 → ナイアシンアミド美容液 → セラミドクリーム(+ 週2パック)

「高い製品ほど効く」は本当?プチプラでも十分な理由

以前、読者の方から「予算3,000円でナイアシンアミドとセラミドを両方取り入れたい」という相談をもらったことがあります。実際に成分表を比較してみると、2,000円台のセラミド乳液でも、ヒト型セラミド(セラミドNPやセラミドAPなど)がしっかり配合されている製品がありました。

大事なのは価格ではなく、成分表の読み方です。チェックポイントは3つ。

  1. セラミドの種類: 「セラミドNP」「セラミドAP」「セラミドEOP」など、ヒト型セラミドが記載されているか。「セラミド」とだけ書いてある場合は擬似セラミドの可能性があります
  2. ナイアシンアミドの記載位置: 全成分表で上位にあるほど配合量が多い傾向。医薬部外品なら有効成分欄に記載されていれば一定濃度が保証されています
  3. 余計な刺激成分の有無: エタノール(変性アルコール)が上位にある化粧水は、敏感肌には避けたほうが無難です

まず2週間試してみて、肌の変化を観察してください。ナイアシンアミドのセラミド合成促進効果は、継続使用で徐々に現れるもの。1〜2日で劇的な変化を期待するのではなく、2週間後の肌触りの違いで判断するのがおすすめです。

やりがちな3つのNG——効果を台無しにする使い方

せっかく良い組み合わせでも、使い方を間違えると逆効果になることがあります。

NG① ビタミンCと同時に重ねる

ナイアシンアミドとピュアビタミンC(アスコルビン酸)を同じタイミングで重ねると、互いの効果を打ち消し合う可能性があると言われています。併用したい場合は、朝にビタミンC・夜にナイアシンアミドと時間帯を分けるのが安全です。ただし、ビタミンC誘導体であれば同時使用でも問題ないとする見解もあり、使っている製品の成分表を確認してみてください。

NG② 一度に何種類も「攻めの成分」を重ねる

ナイアシンアミド+セラミドに加えて、レチノール、AHA、BHAを全部同じ夜に塗る——これはバリアへの負担が大きすぎます。攻めの成分は1晩に1種類。セラミドは守りの成分なので毎日使って大丈夫ですが、ナイアシンアミド以外の攻め成分とは曜日で分けてください。

NG③ 化粧水を「バシャバシャ大量に」つける

ナイアシンアミド配合の化粧水を効かせたくて大量につける方がいますが、角質層が吸収できる水分量には限りがあります。500円玉大を1回で十分。それ以上は肌の上で余って蒸発するだけです。量より継続。毎日コツコツ使うほうが、肌の変化は着実に現れます。

FAQ

ナイアシンアミドとセラミドは毎日使っても大丈夫ですか?

はい、どちらも刺激性が低い成分なので毎日使用できます。セラミドは角質層にもともと存在する成分ですし、ナイアシンアミドも適切な濃度(2〜10%程度)であれば毎日の使用に向いています。ただし、初めて使う製品は2〜3日パッチテストをしてから顔全体に広げてください。

ナイアシンアミド配合のオールインワンジェルならセラミドは不要ですか?

オールインワンにセラミドも配合されていれば1本で完結できます。ただし、成分表でセラミドの記載位置が後ろの方にある場合は配合量が少ない可能性があるため、乾燥が気になる方はセラミドクリームを追加で重ねるのも選択肢です。

ナイアシンアミドで肌がピリピリするのですが、セラミドと併用すれば改善しますか?

セラミドでバリア機能を補強することで、ナイアシンアミドの刺激を感じにくくなるケースはあります。ただし、ピリピリが強い場合は濃度が合っていない可能性が高いです。まずは低濃度(2〜4%)の製品に切り替え、セラミド化粧水を先に塗ってバリアを整えてからナイアシンアミドを重ねてみてください。

朝と夜、どちらで使うのがおすすめですか?

ナイアシンアミドもセラミドも朝夜どちらでも使えます。日中の紫外線防御を意識するなら、朝にナイアシンアミド(抗酸化作用がある)を使い、夜にセラミドクリームでしっかり保湿するのが効率的です。もちろん、朝夜両方で使っても問題ありません。

参考文献