毎朝20分でメイクを仕上げるわたしにとって、「工程をひとつでも減らしたい」は切実な願い。特に夏は日焼け止め下地とメイク下地の2本使いがストレスになる日もある。でも工程を減らした結果、夕方にはファンデが溶けていた……なんて経験、ありませんか?

結論から言うと、日焼け止め下地とメイク下地は役割がまったく違う。だから「両方必要か?」という問いには「あなたの肌と生活スタイルによる」が答えです。今回は、肌タイプとパーソナルカラーを軸にした判断フローを整理しました。まず鏡で自分の肌を見てから、読み進めてみてください。

日焼け止め下地とメイク下地、そもそも何が違う?

混同されがちですが、この2つは目的が根本から異なります。

日焼け止め下地の役割は紫外線防御です。紫外線吸収剤や紫外線散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛)を配合し、UVA・UVBから肌を守ります。SPF・PA値で防御力が示され、花王の公式Q&Aでも解説されているとおり、紫外線カットの仕組みは吸収と散乱の2種類に大別されます。

メイク下地(化粧下地)の役割はメイクの土台づくり。毛穴補正、色ムラカバー、テカリ防止、ファンデーションの密着力向上など、仕上がりのクオリティを左右します。UV機能が付いている製品もありますが、それはあくまで「おまけ」。下地として塗る量では、ONEcosmeの解説にもあるように、表示どおりのSPF効果を得るのは難しいとされています。

つまり、日焼け止め下地は「肌を守るもの」、メイク下地は「メイクを整えるもの」。ここを混同すると、守りも仕上がりも中途半端になります。

1本で済ませていい人、2本使うべき人

「じゃあ結局、全員2本使わなきゃダメなの?」と思いますよね。わたしの答えは「条件次第でOK」。以下のフローで判断してみてください。

1本でOKな条件

  • 通勤が短く、日中はほぼ室内にいる
  • UV機能付きメイク下地のSPFが30以上・PA+++以上ある
  • 肌悩み(赤み・くすみ・毛穴)が軽く、ファンデの仕上がりに不満がない

この3つをすべて満たすなら、UV機能付きメイク下地1本でも夏を乗り切れる可能性はあります。

2本使うべき条件

  • 外出時間が長い、または直射日光を浴びる機会が多い
  • メイク下地のSPFが30未満、またはPA++以下
  • 色補正やテカリ防止など、下地に求める機能が多い
  • 敏感肌でノンケミカルの日焼け止めを選びたい(メイク下地と成分を分けたい)

わたし自身は「2本使い派」です。なぜかというと、日焼け止めには紫外線防御だけに集中してほしいし、メイク下地にはメイクの土台づくりだけに集中してほしいから。1本にいくつも役割を持たせると、どれも中途半端になりやすい。料理と同じで、包丁1本で何でもやるより、用途別に使い分けたほうが仕上がりが良くなるんです。

重ねるときの順番と量の目安

2本使いを選んだ場合、塗る順番と量を間違えるとヨレ・モロモロの原因になります。

塗布の手順

  1. スキンケア(化粧水→美容液→乳液)を浸透させ、30秒〜1分待つ
  2. 日焼け止めを顔全体にムラなく塗布。量は500円玉大が目安
  3. 1〜2分なじませる。ここを飛ばすとメイク下地と混ざってヨレの原因に
  4. メイク下地を肌悩みに合わせて塗布。量はパール1粒大
  5. ファンデーションへ

ポイントは「日焼け止めとメイク下地の間に1〜2分の乾燥時間を挟む」こと。CUSTOMLIFE medicalの記事でも、日焼け止めが乾く前に下地を重ねるとUVカット膜が均一に定着しないと指摘されています。

わたしの場合、日焼け止めを塗ったら歯磨きやヘアセットの時間に充てています。朝7時に起きて20分でメイクを終えるルーティンの中で、この「ながら待ち」が一番効率的。待ち時間をゼロにしようとすると仕上がりに差が出るので、ここだけは省略しません。

パーソナルカラー×肌悩み別・メイク下地の色選び

日焼け止めは基本的に無色〜白色なので色選びの迷いは少ない。問題はメイク下地の色です。

以前、イエベ秋のお客様がラベンダーの下地を顔全体に塗って白浮きしていたことがありました。色自体は透明感が出る良い下地だったんですが、全顔に塗ると首との差が目立ってしまった。そこでCゾーン(頬骨の高い位置〜こめかみ)だけにラベンダーを入れて、それ以外はベージュ系にする「2色使い」を提案したところ、自然なトーンアップに成功しました。

下地は全顔1色で塗る必要はありません。パーソナルカラーと肌悩みの掛け合わせで、部分的に使い分けるのがプロの発想です。

パーソナルカラー別・下地カラーガイド

タイプベースカラー(全顔)ポイントカラー(部分使い)避けたい色
イエベ春ベージュ / ピーチピンク(血色感UP)ラベンダー全顔(白浮き注意)
イエベ秋オークルベージュラベンダー(Cゾーンのみ)ピンク全顔(顔だけ浮く)
ブルベ夏ピンク / ラベンダーイエロー(口周りのくすみに)オレンジ系(黄ぐすみ強調)
ブルベ冬パープル / ピンクグリーン(赤み消しに)ベージュ全顔(くすんで見える)

大切なのは「流行っている色」ではなく「自分の肌に似合う色」を選ぶこと。遊び心を残しつつも、ベースの色選びだけは肌タイプに寄り添ってあげてください。

肌タイプ別・日焼け止め下地の選び方

メイク下地は色で選びますが、日焼け止め下地はテクスチャーと成分で選びます。

脂性肌・混合肌

皮脂でUVカット膜が崩れやすいタイプ。ジェルやミルクなどさらっとしたテクスチャーを選び、Tゾーンにはフィニッシュパウダーを重ねて皮脂を吸着させましょう。SPF50+・PA++++の高スペックでも、崩れたら意味がないので、塗り直しのしやすさも選定基準に入れてください。

乾燥肌

保湿成分(セラミド・ヒアルロン酸など)配合のクリームタイプがおすすめ。日焼け止めの粉体成分が肌の水分を奪いやすいので、スキンケア段階での保湿を入念にしておくことが前提です。

敏感肌

ノンケミカル処方(紫外線散乱剤のみ)を選ぶのが安心。さらに金属アレルギーがある方は酸化亜鉛フリーも検討を。LACOCOのコラムでも、紫外線吸収剤と散乱剤の違いが初心者向けにわかりやすく解説されています。

夏こそ見直したい「下地だけ塗り直し」のすすめ

朝しっかり仕込んでも、夏は汗と皮脂で午後にはUVカット力が落ちます。ファンデーションの上から日焼け止めを塗り直すのは抵抗がある……という声をよく聞きますが、方法はあります。

  1. ティッシュで皮脂をオフ(こすらず押さえる)
  2. UVカット効果のあるフェイスパウダーをブラシでふわっと重ねる
  3. または、UVカットミストを20cmほど離して2〜3プッシュ

パウダーかミストか迷ったら、脂性肌はパウダー、乾燥肌はミストを選ぶとバランスが取れます。どちらも「メイクの上から足せる」のがポイント。朝の仕込みだけで1日持たせようとせず、午後に1回だけ足してあげるだけで紫外線ダメージはかなり変わります。

FAQ

日焼け止めとメイク下地を混ぜて塗ってもいいですか?

おすすめしません。混ぜるとそれぞれの膜が均一に形成されず、UVカット効果が落ちたり、メイク下地の色補正機能が薄まります。面倒でも「別々に、順番に」が基本です。

UV機能付きメイク下地だけでは日焼けしますか?

SPF30・PA+++以上で室内中心の生活なら大きな問題はありませんが、下地として塗る量は日焼け止めの推奨量(500円玉大)より少ないことがほとんどです。外出が多い日は日焼け止めとの併用が安心です。

日焼け止めを先に塗るとメイクがヨレやすくなります。対策は?

日焼け止めを塗った後、1〜2分の「なじみ待ち」をしていない可能性があります。塗布後に表面がサラッとするまで待ってからメイク下地を重ねてください。それでもヨレる場合は、日焼け止めのテクスチャーが重すぎるかもしれません。ジェルやミルクタイプに切り替えてみてください。

首やデコルテにも下地を塗ったほうがいいですか?

メイク下地は不要ですが、日焼け止めは首・デコルテ・耳の裏にも塗りましょう。顔だけUVケアすると顔と首の境目で色差が出て、かえって不自然になります。

参考文献