「夕方になると顔がドロドロ」——毎年夏になるとこの悩みを検索している方、多いのではないでしょうか。

実は、メイク崩れの原因は「暑いから」のひと言では片づけられません。崩れ方を観察すると、大きく皮脂崩れ・汗崩れ・乾燥崩れの3タイプに分かれます。そして、タイプごとに下地とファンデーションの最適な組み合わせはまったく違います。

フリーMUAとして撮影現場で様々な肌タイプのモデルにメイクを施す中で、私が行き着いた結論は「崩れ方の原因を特定してから、下地とファンデを選ぶ」という順番でした。似合うが正解——流行りの下地やバズっているファンデを選ぶ前に、まず自分の崩れタイプを知ることが最短ルートです。

あなたの崩れタイプはどれ?10秒セルフチェック

朝メイクをして、昼過ぎに鏡を見てください。崩れ方のパターンで原因がわかります。

タイプA:皮脂崩れ
Tゾーン(額・鼻)を中心にテカリが出て、ファンデが毛穴周りに溜まっている。指で触ると油っぽい。脂性肌や混合肌に多いパターンです。

タイプB:汗崩れ
顔全体がまだらに崩れ、こめかみや生え際からファンデが流れている。指で触るとサラッとしているがメイクだけが落ちている。汗をかきやすい方や、外回りが多い方に起こりやすいタイプです。

タイプC:乾燥崩れ
頬や目元のファンデがひび割れたように浮いている。粉っぽくなり、シワに沿ってファンデがヨレる。乾燥肌やエアコン環境にいる時間が長い方に多いです。

混合パターンの方もいます。Tゾーンは皮脂崩れ、頬は乾燥崩れというケースは珍しくありません。その場合はゾーンごとに下地を使い分ける「2色使い」が有効です。

タイプA・皮脂崩れ対策:皮脂吸着下地×セミマットファンデ

皮脂崩れの最大の原因は、肌から分泌される皮脂がファンデーションの油分と混ざり合い、化粧膜を内側から溶かしてしまうことです。

下地の選び方:シリカやマイカなどの皮脂吸着パウダーが配合されたテカリ防止系下地を選びます。MAQUIA(2026年最新)の解説によると、多孔質ミネラルが余分な皮脂をキャッチし、肌表面をサラサラに保つ仕組みです。Tゾーンにはしっかりめに、頬は薄くと、量の強弱をつけるのがコツです。

ファンデの選び方:セミマット〜マット仕上がりのパウダーファンデ、またはリキッドファンデ+ルースパウダーの組み合わせが向いています。ツヤ系ファンデは油分が多い傾向があるため、皮脂崩れしやすい方には不向きです。

仕込みテクニック:スキンケア後、下地を塗る前にティッシュで軽く顔全体を押さえ、余分な油分をオフしてください。この1ステップだけで持ちがまるで変わります。美容部員時代、化粧直しコーナーに「ファンデが溶ける」と駆け込むお客様を何十人も対応しましたが、原因の8割はファンデの品質ではなく土台の油分管理不足でした。

タイプB・汗崩れ対策:ウォータープルーフ下地×密着リキッドファンデ

汗崩れの厄介なところは、水分によってメイク膜ごと洗い流されてしまう点です。皮脂崩れと違い、テカリは少ないのにメイクだけがなくなるので原因がわかりにくい。

下地の選び方:ウォータープルーフ処方、またはフィルム膜を形成するタイプの下地を選びます。KOSEの美容情報サイトでは、汗・皮脂に強い膜を形成する成分が崩れ防止に有効と解説されています。

ファンデの選び方:肌への密着力が高いリキッドファンデかクッションファンデが適しています。パウダーファンデは汗で流れやすいため、汗崩れタイプにはあまり向きません。

仕込みテクニック:下地を塗ったあと、必ず1〜2分の「ながら待ち」を入れてからファンデを重ねてください。朝20分のメイクルーティンでも、この待ち時間を歯磨きやヘアセットに充てれば時間のロスはゼロです。層と層の間に乾燥時間を挟むことで、各層の密着度が格段に上がります。

さらに仕上げのフィックスミストは、汗崩れタイプには必須アイテムです。メイクの最後に20cm離して2〜3プッシュ。顔を覆うようにふんわりとかけるのがポイントです。

タイプC・乾燥崩れ対策:保湿系下地×ツヤ系リキッドファンデ

乾燥崩れは、肌の水分不足が原因で起こります。エアコンの効いたオフィスにいると、午後になって頬のファンデがカピカピに粉吹いた経験はありませんか?

下地の選び方:セラミドやヒアルロン酸など保湿成分が配合された、しっとり系の下地を選びます。テカリ防止系の下地は油分を吸い取ってしまうため、乾燥崩れの方には逆効果です。

ファンデの選び方:ツヤ仕上がりのリキッドファンデかクリームファンデが最適です。パウダーファンデを使うなら、下地の段階でしっかり保湿を仕込んでおくことが前提になります。

仕込みテクニック:スキンケアの段階で水分をたっぷり入れ込んだら、下地→ファンデの間にミストをひと吹きしてください。メイクの層と層の間にミストを挟むと密着度が上がる——これは私がトーンアップ下地の2色使いを研究中に偶然発見したテクニックです。特に乾燥崩れタイプには効果を実感しやすいはずです。

混合タイプ向け:ゾーン別下地の2色使い

Tゾーンは皮脂崩れ、頬は乾燥崩れという混合タイプの方は、下地を1本に絞る必要はありません。

Tゾーンには皮脂吸着系下地、頬〜目元には保湿系下地を塗り分けます。境界線は指の腹でポンポンとなじませれば自然につながります。ファンデはセミマットのリキッドタイプを全顔に薄く塗り、Tゾーンだけルースパウダーを重ねるのがバランスの取りやすい構成です。

まず鏡で試して、自分の崩れ方を確認してから組み合わせを決める。この順番さえ守れば、毎年夏に「ファンデ難民」を繰り返すことはなくなるはずです。

3タイプ共通:夏の仕込みで差がつく3つの習慣

崩れタイプに関係なく、夏のベースメイクの持ちを底上げする共通の仕込み習慣があります。

1. スキンケアからメイクまで5分空ける
化粧水や乳液の油分が肌表面に残ったままメイクを始めると、下地が滑って密着しません。スキンケア後は最低5分、できればその間に着替えや準備を済ませてからメイクに入りましょう。

2. ファンデは「薄く→重ねる」が鉄則
カバーしたい気持ちから厚塗りすると、崩れたときのダメージが大きくなります。まず顔全体に極薄く塗り、カバーが必要な部分だけ重ねる。遊び心を残すくらいの余裕が、結果的にキレイな崩れ方につながります。

3. 仕上げパウダーの使い分け
皮脂崩れ・汗崩れタイプはプレストパウダーをパフでしっかりめに。乾燥崩れタイプはルースパウダーをブラシでふんわりと。パウダーの種類と塗り方を崩れタイプに合わせるだけで、お直しまでの時間が延びます。

FAQ

Q. 皮脂崩れと汗崩れ、見分けがつかない場合はどうすればいいですか?

崩れた部分を指で触ってみてください。ぬるっと油っぽければ皮脂崩れ、水っぽくサラッとしていれば汗崩れです。触感で判断するのが最も確実な方法です。

Q. テカリ防止下地を使っているのに崩れます。何が原因ですか?

下地の前の油分オフが不十分な可能性があります。スキンケアの油分が残った状態で皮脂吸着下地を塗ると、スキンケアの油分を吸って肝心の皮脂を吸着する余力がなくなります。ティッシュオフを挟んでみてください。

Q. ツヤ肌が好きですが、夏でもツヤ系ファンデを使えますか?

使えます。ただし全顔ツヤ仕上げではなく、Tゾーンはマットに抑えて頬骨の上だけにツヤを残す「部分ツヤ」がおすすめです。パーソナルカラーがイエベ春やブルベ冬の方は特にツヤとの相性が良いので、崩れ対策さえすれば夏でもツヤ肌を楽しめます。

Q. 化粧下地とファンデーションは同じブランドで揃えるべきですか?

必ずしも揃える必要はありません。大切なのは崩れタイプに合った機能の組み合わせです。ただし、同ブランドで設計されたラインは密着テストが行われていることが多いので、迷ったら揃えるのも手です。

参考文献